大分県の松井商会
歯科医院開業支援 開業 改装 コーディネーター
松井健郎です

先日、カボデンタルシステムズジャパンさんの特約店会に参加させて頂きましたが
その中での特別講演として
大阪大学大学院医学系研究科の
浅利誠志先生のご講演を拝聴する機会を頂きました

90分程の短い時間ではありましたが
「これだけは知っておきたい、院内感染の基礎知識」
と言う内容のお話をお聞き致しましたので
簡単ではありますが、ご報告させて頂きます

1つ目の議題は世界の感染症の現状として
エボラ出血熱の現状から
世界の死亡者の1/4は感染症で亡くなっていると言う事
EID(振興感染症)RID(再興感染症)や
炭疽菌やサリン等の、CBRNEテロに関して

そして、2つ目は院内感染の現状のお話で
結核やB型肝炎、麻疹(はしか)による感染例
MRSA(多剤耐性黄色ブドウ球菌)、結核の現状
感染症に対する国の対策経緯
そして診療報酬改訂に関して等のお話をお聞かせ頂きました



感染の危険性の面では、得にMRSAと結核に関しては感染者が非常に多く
MRSAで推定患者数が、2010年で36.2万人
そのうち死亡者が1割と計算しても3.6万人

結核は我が国最大の感染症と言われておりますが
病院での感染が一番多いと言われている様です
次いで事務所、学校と続く様です
浅利先生は年に1回は結核のチェックを受けるべきだと言われておりました
年齢別では50歳以上が全体の75%を締めますので
高齢の方は得に注意が必要とのことでした

そし3つ目の議題は
歯科領域で何が危ないのか?
との内容で、危険な医療行為の現状
HBV、HCV、HIV、HYLV−I等の感染リスクの認識と、防止耐性の構築
のお話でした

やはり歯科医院で感染のリスクが高いのは、、、
エアータービンや、超音波スケーラー、コントラ等だそうです

そして感染の危険性に関しては
目からの感染が非常に高いとの事です

歯科治療では血液や唾液が飛散しますが
5ミクロン以下の小さな飛沫は
1時間以上も空気中を飛散するそうです
従って診療室の気流をどう変えるかも重要ですが
ゴーグル等で目を保護しておかなければ
感染の危険性は非常に高まるとの事でした
口腔外バキュームを使用するのも要望の一つになります

また、従事者は
グローブ、マスクはもちろんんこと
キャップ、ゴーグル、ガウン等も着用すべきとの事でした
いわゆるPPE(個人防護)をしっかりと行う事が重要な様です
その様な事を徹底しなければ
若い医療従事者が、どんどん現場から離れて行く危険性が高いと
危惧されておられました

そして医療器具の滅菌に関しましては
得に歯科の領域では
ハンドピースに代表される様な中空な物が沢山ありますので
クラスB滅菌器や、陽圧パルス式のクラスS滅菌器が必ず必要であり
しかも、滅菌がしっかり行われているかをきちんと確認する
滅菌バリデーションをしっかりと行うことが重要であるとの事でした

最後に、歯科領域館線管理のパラダイムシフトとして
認識を変える事が必要であると言う事で3つの目標を持って下さいとの事でした

1つ目は、個人目標として
→自分が感染源、汚染源にならない、と言う事
2つ目は、管理者目標として
→患者と職員を感染から防ぐ、と言う事
3つ目は、職員教育目標として
→職員間における知識を共有する、と言う事
の3つの認識を変えましょうとの事でした

本当に勉強になる内容だったのですが
驚いたのは、歯科と比較して医科は
感染管理の意識がとても高いと思っていたのですが
浅利先生から言わせると、医科もまだまだ十分ではなく
病院は非常に危険な職場であり
感染に関する認識がまだまだ不足しているとの事でした

90分という短い時間ではありましたが
とても為になるお話を聞かせて頂く事が出来ました

また機会があればもっと詳しいお話をお聞きしたいと思いました